The Ahwar of Southern Iraq: Refuge of Biodiversity and the Relict Landscape of the Mesopotamian Cities
マイナー度 ☆☆☆☆
覚えにくさ度 ☆☆☆☆
行ってみたい度 ☆☆☆
イラク
登録基準(ⅲ)(ⅴ)(ⅸ)(ⅹ)
2016年登録
シュメール都市
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砂漠が多い中東は自然遺産が少ないですが、イラクの複合遺産というレア案件。
3つの考古学遺跡と4つの湿地帯によって構成されています。
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文化遺産の面では、メソポタミア文明発祥の地として有名です。紀元前3000年ごろにメソポタミア文明を築いたシュメール人の痕跡が遺跡として現在にまで残されています。ティグリス・ユーフラテス川(久々に聞いた)という大きな川の近くで発達したメソポタミア文明はその高い灌漑農業の技術力と楔形文字の発達で知られています。実は彼らの言語は系統が不明であったり、どのような経緯でメソポタミアに定着したかなどの出自が分かっておらず、ミステリアスな一面があるそうです。
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自然遺産の面では、世界最大の内陸デルタ地帯として有名です。気温が40℃を超えることもしばしばあり、極度に乾燥しているこの地域での湿地帯はいわば生物たちの「避難所」となっています。このオアシスに子孫繁栄の望みをかけた多種多様な生き物が集ってくるのです。鳥、渡り鳥、亀、魚、エビetc…。

古代遺跡と生物多様性が共存するような世界遺産は本当に珍しいです。逆にいえば生物が暮らしやすい地域では文明が発達しやすいということかもしれません。イラクは情勢的にも危機遺産に指定されてる遺産も少なくありません。このアフワルの遺産は危機遺産ではないですが、いつ戦禍に巻き込まれてもおかしくないと思います。このような貴重な遺産は将来世代のためにも保護されていってほしいですね。
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